miura lab
2023年11月1日水曜日
掲載論文解説:トマトモザイクウイルスの移行タンパク質を共発現させることで、トマトにおける一過的タンパク質発現が促進される。
2022年3月17日木曜日
震度4?
昨日は久々に大きく揺れましたね。
つくば市公式で震度4だそうですが、土浦と同じく震度5弱はあったと思われるぐらいゆれました。ただ、ひっくりかえっているものも無く、停電が2時間ぐらいで済んだのは良かったです。つい2週間前に、さんざん耐震しろと注意を受けたので、功を奏したと思います。
2022年2月1日火曜日
掲載論文解説:トマトにおける光受容体フィトクロム変異体は暑さに強い表現型を示す
日本語解説
Abdellatif et al. (2022) Int J Mol Sci 23, 1681
ポイント
1.トマト光受容体フィトクロム変異体phyA, phyB1B2では、栄養成長期において、暑さに強い表現型を示す。
2.通常トマトの花粉は暑くなると稔性が下がるが、変異体では野生型よりも稔性が高い。ただ、着果はそれほど変わっていなかった。
3.栄養成長期において耐暑性が付与されることから、今後のゲノム編集のターゲットとしての利用も期待できる。
論文内容
温暖化の影響もあり、熱ストレスが世界的な問題となってきている。特に農業という視点から、熱ストレスは植物の成長を阻害するとともに、収量の減少を引き起こす。本研究では、トマトフィトクロム変異体phyA, phyB1B2が栄養成長期に高温耐性を示すことを明らかにした。夏場のガラス温室は、気温が50℃以上に達することも少なくない状況ですが、そのようなガラス温室内では通常のトマトは萎れたり、弱ってきたりしますが、phyA, phyB1B2変異体は下図のように良好な生育をみせました。これは、高温時における膜の安定性と水分保持が強化されたためと考えられます。
一方で、生殖成長期において、高温時における花粉の稔性が変異体で上がってはいたものの、着果率に関しては、野生型と大きな違いは見られなかった。
これらのことから、phyA, phyB1B2変異体は栄養成長期に高温耐性を示すことが明らかとなった。夏場をこの変異体で乗り切って、秋で実をつけさせるということを行えば、この変異体が有効利用できるのではないかと思われる。もともと変異体なので、ゲノム編集などで変異を導入するといった使い方もあると考えられる。
2022年1月28日金曜日
何も書いていなかった。。。
前にポストしたのが4月なので、ブログを放置しておりました。今年度は学会運営年度でして、2つ回ってきています。どうも、十数年前にTXが開通した際に、つくばに学会が回ってきて、今回、一回りしたということみたいです。
2021年9月 植物バイオテクノロジー学会 大会実行委員
2022年3月 植物生理学会 大会実行委員
9月の植物バイテク学会は終わりましたが、次は3月の植物生理学会年会です。ここに来てオミクロン株による感染急拡大なので、オンライン開催を早々に決断しておいて良かったのかもしれません。11月、12月の状況だと、オンサイトで出来るのかもと思っていたのですが。
2021年4月16日金曜日
気づけば、すでに新学期が始まって半月経っている。。。
ブログをほとんど更新しないまま、気づいたら、すでに新学期が始まって半月が経ってしまいました。時が流れるのは早いものです。
コロナは依然として、というか変異株の感染がどんどん拡大していて、茨城も感染者が増えてきているので心配です。ワクチンがようやく接種が始まったのですが、集団免疫による感染者の減少は7-8割と言われていますので、収束まではまだ辛抱です。ただ、1回目の接種が半分ぐらい終わったイギリスでは顕著に感染者が減っているのは朗報です。ワクチンが効果を発揮すれば、重症化リスクが下がると思われます。
ここ最近何があったかと思い返すと、特許登録が完了し、特許証が届きました。https://sites.google.com/view/tsukubapmcb/publications/patents
なかなかいいものですね。
あとはJST-OPERA(https://opera.tsukuba.ac.jp/)プロジェクトが本格ステージに入りました。本格的に研究開発を行うことになります。
2021年2月28日日曜日
今年度ももうすぐ終わりです
早いもので、今年度も、あと1か月となってしまいました。今年度は前半がコロナでほとんどストップした状況なので、後ろの方にしわ寄せがきて忙しないです。
この2月は論文が2つアクセプトになり、良かったです。いずれも「つくばシステム」を用いた成果なのですが、1つはつくばシステムによる一過的発現によりゲノム編集トマトを作出するというものをPlant Cell Reportsに掲載しました。
もう一つは、一過的発現をする際、発現させるタンパク質によっては壊死が起きるのですが、それを抑制する方法です。100mM以上(200mMが経験上効きが良い)という高濃度アスコルビン酸を噴霧するという単純な方法で壊死が抑制できたというものでPlant Physiologyに拾ってもらいました。壊死については総説とかみても、小胞体ストレスが原因だろうとか書いてあるのですが、原因は分かったからどうやったら防げるのか調べても、全くみつかりませんでした。そこが知りたいのに書いていないということは、明らかにされていないことなので、いくつか試すことにした、というのがきっかけです。作りたいタンパク質が壊死によって作れなかったので。この壊死を何とかしたいと思い、常法通り、数mMアスコルビン酸を噴霧しても全く改善されず仕舞いでした。まあ、普通に考えると、ここでおしまいで、他の方法を試すべきなのでしょうが、アスコルビン酸なんて安いものだから、10倍(30mM)、100倍(300mM)を噴霧してしまえと試しました。このような高濃度の液体を植物に与えるということは常識的にはしないのでしょうが、時には常識の範囲外ということも試してみないといけないということでしょう。